性能向上リノベーションのすすめ

▮新築でもリフォームでもない、快適に暮らす第3の選択肢

耐震性能と断熱性能向上をした我が家で、まだほとんどのひとが体験したことない暖かく涼しい高い居住性で快適に暮らす。

 

 新築住宅は高額になるため、断熱性能を落として予算内に収めがち。

性能向上リノベの場合は、予算に応じて工事範囲を決めて、その予算を断熱性能向上に充てられるので、新築住宅よりも快適な高居住性で暮らせます。 

 新築をあきらめている方にぜひお勧めしたい選択肢です。

 

 また元の価値に戻す修繕という意味合いの強いリフォームのように、ただ見た目をよくするものではなく、快適性の向上と長く住めることに重点を置く性能向上リノベは、元の価値以上の住宅にするということです。

リフォームを考えている方には、やり方次第で今よりずっと居住性が良くなる手段のあることをお伝えしたいです。

リノベーションで、ここまで冬暖かく、夏涼しくなります!

 しっかりと断熱性能と気密性能を上げてやると、とても居心地のいい空間に生まれ変わります。

 

 断熱材をきちんとした厚さで施工する。気密をとってその断熱性能をしっかりと発揮させる。この両方を考えて作ると暖かくて涼しい家はリノベーションでもちゃんとできるんです。断熱材の種類が大事なのではありません。

 

 新築住宅でないと、冬暖かい家にはならないと思っていませんか?

実は新築住宅でも寒い家は存在します。大手ハウスメーカーでもカビの生える家を建てています。それは残念なことに建てた後、住んだ後にわかるのです。

 

 大切なのは、きちんと断熱気密性能を確保することです。

部屋のどこに行っても涼しいし暖かいから部屋を広く使える

 我が家は部屋の中のある部分が寒いとか、極端に寒いところがありません。

例えば、部屋の隅、窓の近く、廊下にでるドアの近くといった場所が寒いこともありません。低断熱の家では寒くなりがちなそういったところもほぼ室温が一定です。

 

 広いリビングでも寒いところがあればその場所には行きたくなくなりますよね。行きたくないということは使わないスペースになり、そのスペースは無駄になってしまいます。

 断熱性能を上げるメリットの一つに、どこに行っても暖かいから、部屋が狭くても、実際に使える範囲が広がるということがあります。

写真左の大きな窓なんかは、低断熱の家ですと近くに寄ったら寒いはずです。我が家はこの窓を背もたれにして座っても寒くないです。低断熱の住宅では、大きな窓の近くは居住スペースから半ば除外されることになります。

 

 

また例えば、天井の断熱が低い住宅の小屋裏収納は夏暑くて行きたくないですよね。その収納の断熱がしっかりしていれば、夏でも快適に物の出し入れができます。実際に使える範囲が増えるわけです。

 

子供がいるソファーベンチがあります。冬でも窓からの寒さは感じません。

このベンチはうちの居心地のいい場所の一つ。

 

朝、布団から起きるのが苦痛じゃなくなる

 朝起きて寒いと布団から出たくないですよね。

意を決して布団から出る。ストーブがついて、その前に鎮座し体が温まるまで動けない。

 リノベ前は私もそうでした。ストーブに表示される温度は0度なんてことも。

それって普通?

 

 リノベ後は朝起きて寒いと思うことはなくなったので、すぐに布団からでれるようになりました。

というよりは、あったかいので布団は使ってないのです。毛布で十分。子供は毛布さえ掛けてないことが多いです。

ですからすぐにベッドから起きられます。快適な目覚めが毎朝待ってます。

冬が来るたびに、夏が来るたびに良かったと思う。

 住宅にはデザインや意匠性、大切なことがたくさんあります。

建築当時あれだけ悩んで決めた、壁の色、天井の素材も時間がたってみると、見慣れてきて普通に感じてしまう。

悩んで決めて良かったと思うことはあれど、どうしても見慣れた感じは出てきます。残念だけど人間は慣れるようにできています。

 

 ですが、暑さ寒さに慣れることはなさそうです。

毎年夏が来れば暑い暑いといい、冬が来れば寒い寒いと言っています。

 

 我が家は、夏が来るたび、冬が来るたび、季節が変わるたびに、この断熱クラスでリノベーションしてよかったなと本当に思います。(HEAT20 G2クラス以上の断熱性能)⇒HEAT20 

 だってすごく快適なんです。住んで4年だけど、いまだに、ちょっとした感動すらあります。

 

 だから皆さんにもこの快適性をわかってほしい。体感してほしい。

 

 そういう思いで、我が家の温熱環境体感見学会は随時開催しております。

自分の家を好きになる

 自分の車は好きですか?とか、自分の持ってる服は好きですか?と聞かれたとしたら好きです。と答える人も多いでしょう。

気に入らなければ、好きなものに少し頑張れば買い替えることも可能ですし。

 

 では自分の家好きですか?

あまり好きではない。そんなこと考えたこともない。そんな方もいるでしょう。

 住宅は高額なので、気に入らなければ買い替えるってことが難しいものですからね。

不満に感じていることがあっても、しょうがないとあきらめてしまうものです。

 

 冬寒い、夏暑い。これが住宅に対する不満の第一位です。これが解消されてない住宅はどんなにデザインが良くても、やっぱり不満が出るものです。

 

 冬寒い、夏暑いが解消されてこそ、初めて自分の家が好きになる。

 

 私は自分の家が好きです。


部分性能向上リノベーションという選択肢

あなたの家は本当に壊さなきゃいけませんか?

私が選択したのは、家の一部分(私たち夫婦と子供2人のLDKと寝室のみ)を断熱耐震リノベーションしました。

これを部分性能向上リノベーションと言います。

部分性能向上リノベのメリット

1.費用が安く済む

 自分たちが住む居住空間のみの部分リノベなので、費用が安く済みました。

最近の新築住宅が30~35坪だとすると我が家は15坪程度の面積ですので、新築住宅の半分以下の広さのリノベーションです。

これであれば安く済むわけです。

 

 さらに通常の新築の半分の価格でリノベしたかというとそうではなく、1/4程の価格で可能でした。

それは使える部分は使うことで費用が抑えられるからです。だからローンも組まずに済みました。

 

 

2.費用を抑えられた分を性能アップや無垢材の使用に充てられる。

 価格を抑えられた分で通常の家の倍の断熱材を使用しました。(通常の断熱層にもう一層断熱層を付加する付加断熱と言います。)これで超高断熱に性能アップできました。

冬暖かくて、夏涼しい大満足のリノベです。

 

 また、少し値の張るウォルナットの無垢材を使ってキッチンを造作したり、勾配天井にしたり(普通の平らな天井より大工さんの手間がかかります。)することが出来ました。

 

 

3.新築でなくてもフルリノベーションでなくても長岡トップクラスの暖かい快適性が手に入る。

 新築やフルリノベーションで長岡トップクラスの断熱性を求めると家全体で考えなくてはいけないので、当然費用は高くなります。

 

 その場合やはり性能は落として、手の届く価格で考えざるを得ません。

その結果新しい家なのに、寒い。光熱費が高い(特に暖房費)。窓が結露する。など不満の残る住宅になってしまう可能性があります。

 

 実は新しい住宅なのに、我が家の暖かい快適性には程遠い、そんな家ばかりなんですよ。

長岡には一戸建てに住んでいる世帯が70,000世帯ほどらしいのですがこのうち我が家と同じ断熱性能で快適に暮らされている方は5%以下ではないでしょうか。いやもっと少ない1~3%(700~2,000世帯)くらいかも。私の感覚値で統計がないので分かりませんが。

 部分性能向上リノベで、価格は抑えながら、長岡で異次元の暖かい家に住むことが可能です。


部分性能向上リノベのデメリット

1.リノベしたところ以外は寒いまま。

 当然リノベしていないところはそのままなので冬は寒いです。廊下・トイレ・風呂・洗面脱衣は寒いまま。

すべてを断熱リノベできればいいのですが。

 

 予算と相談して、可能な範囲でどこまでを断熱範囲にするかを考えていけばいいと思います。うちは近い将来またリノベしていけばいいと思ってます。

家族構成と予算を判断しながらゆっくりやればいいわけです。

 

 

2.耐震性能が家全体で見れない。 

 部分リノベなので家全体の耐震補強は出来ません。

家全体の耐震補強を考えるにはフルリノベーションに近いリフォームをしなければならなく、結果費用がかかります。

本気で耐震補強に取り組んで、トータルで新築住宅くらいの価格になりましたでは、本末転倒です。

部分リノベのメリットである、費用が抑えられる点が享受できません。

 

 我が家の判断として、2回の大きな地震にあったこの地域ですが、それにもかかわらず地盤が沈んで基礎が下がっているようなことはありませんでしたし、柱に大きな狂いがなかったため、部分リノベとしました。

構造材を止付ける金物の補強交換・筋交いの点検・床の補強など、部分リノベでも出来る耐震補強を行いました。

 

 

3.実際どれくらいもつか誰にもわからない。けど新築住宅でも同じですが。

 木造の法定耐用年数(減価償却期間なだけでもっと長く住めます。)が22年とされていたり、日本の住宅の寿命は30年だという話があったりするので、木造住宅の寿命は短いと思っている方も多いかもしれません。

地震など諸要因があるので、明確に言えないことが、住宅の寿命は長くないと不安視される原因かと思います。

 

 調べてみると、木造住宅は65年と算出している、ある大学の教授もいらっしゃるよう。

住宅の基礎であるコンクリートはひび割れ補修を適切に行い内部鉄筋がさびないようにすれば、100年から120年もつともされています。

 

 適切にリフォームすることで家の寿命は100年くらい、いやもっとに伸ばせると私は考えます。

日本は湿度が高いから住宅の寿命が短いとよく言われますが、私はすこし違うと思います。日本の住宅は諸外国より断熱性能が低いので、カビやすいこと、が原因だと思ってます。

 また古い家は寒い、新しい家は暖かいという幻想を持っている人が多いので、古い家を使い捨てちゃうことも原因のような気がします。

新しければいいってもんじゃないですよ。しっかり断熱化をすれば、新築以上の性能は出せます。そして結露を排除できるので、木も長持ちします。

 

 リノベではどのくらい持つかどうしても不安な方は新築住宅で考えた方がいいでしょう。

でも性能軽視した新築住宅は何年持つのでしょうか?

 


さいごに

まだまだ住めそうな家が解体されているのをよく見かけます。

スクラップアンドビルド。建てては壊し、壊しては建て。

  

もっと家は長持ちできるはずです。

 

 昔は住宅ローンなんてありませんでした。家を建てるためにお金を貯めるしかありませんでした。

 私の祖母もそんな人でした。

家を建て替えるのが夢でせかせか働いていたそうです。私が3歳の頃に亡くなって、家を建て替える夢は実現できませんでした。

 

 そして私が7歳の頃、父が今の家を建てました。世代を超えて祖母の夢だった今の家が建ったと思うと簡単には壊せません。

 

 誰でも長期でローンが組めて、少し頑張れば新築できる時代。

誰でも建てられるけど、頑張って稼いで払ったローンで家が建っていることを考えるとすぐに壊すよりも、リノベーションやリフォームで何とかならないかをまず考えたい。

 

 そして、出来れば子供や孫に住み継げたらいい。子供や孫に渡せなくても、他の誰かが住んでくれるように。

 

 寒くて、暑くて、地震で揺れもすごい、そのような家は引き継ぎたくても引き継ぐ人がいない。

不良債権になってしまい、子供はもらってもしょうがないという。

結局引き継ぎ手がいなく壊さざるを得ない。または安値で売らざるを得ない。買い手がつかないこともあるでしょう。

そうなると処分に困る。結果空き家は増える一方・・・。

 

 ただ見てくれを良くするのではなく、出来る範囲で性能アップの部分断熱耐震リノベもしくはリフォームをする。

部分断熱耐震リノベで自分の予算内で、暖かく涼しい快適に過ごせる住宅が手に入ります。

 我慢して住むのではなく今までより格段に快適に住めるようになります。

 そして自分が快適に感じている住宅には愛着もわいてきます。

 

 高い居住性で満足度の高い、愛着のある住宅であれば、自信をもって、次世代の誰かに家を引き継げる。

 

 子や孫に引き継ぐことが出来るのであれば、家を建てなくて済む世代もあるでしょう。

100年家が持つとすれば、家を建てなくてはいけない世代が3~4世代に1世代くらいでしょうか。世代を超えたの住宅コストをかなり削減できるのです。

 

 欧米は住宅の寿命が長く、子や孫に引き継いだり、中古として日本よりも高値で売却出来たり、そもそも一世代で一棟新築を建てるという考えは日本独自みたいです。

 

 日本は地震が多いから寿命が短い。それもあるでしょうが適切に耐震補強がしてあれば長持ちします。

さらに断熱軽視した住宅は結露やカビで構造が劣化しやすく寿命は短くなります。

欧米の住宅は日本に比べ断熱性能は格段に上です。日本は断熱後進国ですから。 

 

 空き家をどう処分するかという問題は始まったばかりで、今新築を建てているあなたにも起こりえます。

新築を建てる時に性能を軽視していると、ただ古いだけで処分に困る住宅になるかもしれません。

 

費用を抑えながら、快適に、長く住める住宅に変えることのできる部分性能向上リノベーションが問題解決の何かの糸口になる。と思って広めていきたいと考えています。

 

港建設株式会社  代表取締役 吉田 磨 (よしだ おさむ)